UCLA、そしてそのビジネススクールであるAndersonはエンターテイメントビジネスを学ぶ上では最高の環境の一つであると断言できます。TraditionalなMedia、MoVIE関係からMUSIC、Sports、Gameまで、あらゆるエンターテイメント分野にAndersonから数多くの卒業生を輩出しています。エンターテイメント分野でキャリアを築きたい人から、少しハリウッドのビジネスの仕組みを知っておきたい、という方まで幅広なニーズに対応できる講義が揃っています。また、AIやVR/ARといった最新テクノロジーの活用が進む業界でもあるため、テック産業に興味のある方にとっても魅力的な講義が揃っているかと思います。尚、MBA生が取れるエンターテイメント関連の講義は大きく分けて、AndersonのMBA Program内の講義と、UCLA Film SchoolのProducer’s Programの授業になります。(※最新の状況と異なる可能性がある点、ご了承下さい)

 

Entertainment Business Models

エンターテイメント業界の様々なジャンル(映画、ケーブルテレビ、ストリーミング、vMVPDs、ショートフォームコンテンツなど)について、ケースを読みながら各ビジネスモデルを分析する講義です。中間テストでは大手映画Studioが製作するかどうかを判断するために使うGreen Light Modelについて学んだ後、実際に売上の予想モデルを組みエッセイを書きます。TA(student assistant)がやり方を教えてくれるので経験がない方でも基礎から学んでいくことができる点も高評価です。 また毎回教授の繋がりでエンタメ業界の大物ゲストスピーカーが来てプレゼンテーションを行ってくれます。映画スタジオのCEOからストリーミングサービスのVPまで豪華なラインアップがそろっており、彼らの貴重な体験談を聞きつつ質疑応答を行う時間は濃密です。ハリウッドに近い立地とエンタメ界で有名な教授がいるからこそ成り立っている非常に貴重な講義と言えます。

 

Entertainment Marketing

エンターテイメントプログラムで有名な教授2人が教える人気の授業です。この講義には効果的なOne Sheet(ポスター)やtrailer(予告編)の作り方から、公開時期の選定、海外への展開など、映画マーケティング関連の様々な要素が盛り込まれています。Andersonのエンタメプログラムを代表するProf.Fronのレクチャーには笑いが絶えません。テスト形式も通常の講義とは一風異なり、例えば中間テストでは本物の台本を渡され、最適なマーケティング手法に関するプレゼンを行ったり、期末試験では実際の映画配給会社の公開予定の映画を取り上げ、その会社のマーケティングチームに対して効果的なマーケティング戦略の提案を行うといった形です。毎回の授業には、ゲストスピーカーとして、ハリウッドの製作現場の一線級で活躍する方々が招かれ、彼らが日々の業務で直面する問題点や映画業界の最新動向など、ハリウッドの生の声を聞くことができます。映画業界はもちろんエンターテイメント業界を目指す人にとっては必須といってよい授業!

 

Technological Innovations in Media and Entertainment

AIがメディアエンターテイメント業界に対してどのような影響を与えうるか、全5回の授業を通して学びます。ゲストには大手コンサル会社、映像および音楽のストリーミングサービスやData analytics企業のVPまたはCEOレベルが来て、彼らの最新のビジネスストラテジー、また今後の業界予想について意見を聞くことができます。またテスト形式もユニークで、例えばGPTに注目が集まったタイミングで行われた中間試験では、AI関連についてトピックを選び、自分の書いた答えとChatGPTが書いた答えを比較してAIの現状の限界値と今後の可能性について議論を行うというお題が出されました。またその当時の期末試験では実際にあるエンターテイメント×AI関連会社を扱い、彼らのビジネスストラテジーの評価を行う形が取られました。授業の雰囲気は非常に和やかで、毎回様々なジャンルのビジネスモデルについて1からディスカッションを行いつつ、今後AIが発展することでどう影響を与えるか、生徒と教授、そしてゲストスピーカーが一緒になって考える内容になっていました。

 

Examining the Videogame Industry – The State of Play

ゲーム業界についての全5回の授業です。これまでのゲーム業界の歴史から最新の技術、トレンドを踏まえて、今後のビジネスモデルがどうなっていくかを毎週2本以上のケースを読みながら分析していきます。ケースではEpic Games、Candy Crush、EA、Xbox One、Esports、Cloud Gaming、VRといったトピックがあり、これらを通じてゲーム業界のビジネスモデルの変異と最新のビジネスストラテジーについて学びます。任天堂、SONY、SEGAといった超有名日本ゲーム会社についても扱うことから非常に日本人にとっても親近感がわく授業であり、ゲストスピーカーもDisneyやActivision BlizzardのVPレベルを招き、昨今のM&Aや新しいビジネス戦略、今後の業界予想をどう考えているのかを生で聞くことが出来ます。授業の雰囲気は非常に和やかでディスカッションでは笑いが絶えなかった。生徒にゲームオタクが多いのか非常に熱量があり聞いていて飽きません。ゲーム業界に少しでも興味がある人は、ビジネスとして学ぶことが出来る絶好の機会となるでしょう。お薦めです!

 

Sports Management

スポーツビジネスに関する講義で、スポーツ分野への投資に特化したプライベートエクイティファンドを運営している教授が主導しています。同氏はXゲームズやマクラーレン・レーシングの所有者でもあり、スポーツエージェントとしての数十年の経験を持つ中、アリゾナ・ダイヤモンドバックスやサンディエゴ・パドレスのチームエグゼクティブ兼共同オーナーとしても活躍してきた方です。講義では、スポーツビジネスに関連するケーススタディを毎週行います。最新のスポーツニュースについて議論する他、スポーツビジネス界からのゲスト講師を迎えます。例えばとある年は、ESPNのプログラミング部門責任者、投資会社ザ・チャーニング・グループのパートナー、F1ドライバーのダニエル・リカルドといった豪華なゲストスピーカー陣が講義に訪れました。学期末には、ロサンゼルス・レイカーズのエグゼクティブにビジネスプランを個別に発表する機会もありました。この授業は、スポーツ業界でのキャリアを目指す人にとって素晴らしい学習の場であると同時に、スポーツ専門家とのネットワーキングの機会にもなります。お薦めです!

 

Innovations in Sports Marketing

スポーツ(eSport含む)業界のマネタイズについて、RevenueのエコシステムのMain Driverを成すリーグ、チーム、アスリート、メディアに切り分け分析していく。昨今のCOVIDやデジタル化に伴い、スポーツ業界のビジネスモデル自体の構造が大きく変化していく中、どのようなマーケティング施策が効果があるのか、またそれによって、各メディア媒体がどのような動きをとっていくのか、豪華なゲストスピーカーはもちろん、生徒同士のディスカッションベースに授業を進めていくところが、他の授業にはなく面白い。

 

また、MBAプログラムの一環ではありませんが、例えばFilm SchoolのサマープログラムProfessional Program in Producingでは、Film Schoolの年間を通じたプロデューサー養成プログラムの短期集中版が3ヶ月間にわたり提供され、世界各国からハリウッドを目指す若者が集まって、ハリウッドの映画製作について、ディールメイキング、撮影予算、日程から映画のストーリー構成など多岐にわたって勉強します。講師は約2週ごとに各分野の現役バリバリの専門家が呼ばれ、ゲストスピーカーも非常に充実しています。(過去には、Ben Affleckや Art Lison (The Untouchableのプロデューサー)など。)また2024年からは、 Andersonの卒業生でありNikeのCOO・CFOを歴任したAndy Campionの下、New Sports Leadership and Management Programが始動し、今後UCLAひいてはLAのスポーツチームなどとも連携する形で、スポーツ分野でのビジネスリーダーを育成するためのプログラムを充実させていく方針となっています。

また、授業の他にも、EntertainmentのCertificateを管理する施設であるThe Center for Management of Enterprise in Media, Entertainment & Sports (通称MEMES) が、エンタメ関連のスピーカーシリーズやワークショップなど様々なイベントを開催しています。MEMESの公式サイトはこちらです。