AI技術の発展もあいまり、基本的なデータ活用スキルは今後のビジネスマンにとって必須と言っても過言ではない状況です。かかる中Andersonでは、Rなどのデータ分析ツールを活用した統計的な分析を学ぶ機会がCORE授業(必修)の段階から提供されます。更に、Elective授業(選択)を通じて、その学びを更に発展させ、より高度な分析手法を習得する機会も豊富です。また、Anderson外まで広げると、COmputer Scienceなどといった他学部の講義を受講することでBUSINESS Schoolの水準を超えた学びを得る余地も存在します。以下は、DATA Analytics関連の一部講義の概要です(※最新の状況と異なる可能性がある点、ご了承下さい)
Tool and Analysis For Business Strategy
データ解析とRの使用方法の基礎を学ぶ講義です。ビジネスマンとして、どのように使用データを選び、どのように解析するか、信頼性をどのように考えれば良いか、といったことを学ぶことが出来ます。Rのインストールの仕方からはじまりますので、すでにそれらの経験がある方には物足りないかもしれませんが、Rのコードの書き方の指導を含めた非常に実践的な内容になります。統計の知識はある程度必要となるので、必修科目の統計を受講してからの方が望ましいと思います。講義と実践(コーディング)が中心となる講義です。2023年春学期時点では、Regression (Linear regression, panel regression) + Text analysisといった内容でした。
Customer Assessment and Analytics
統計的手法を用いた顧客分析を用いてマーケティング戦略立案に向けたインサイトを得る手法を学びます。全10回の講義の内、前半はサーベイの適切な設計などを通じて如何にバイアスなくデータを収集するか、後半はConjoint分析や統計的手法を用いたセグメンテーションの方法などよりテクニカルな学びが中心となる構成です。ラグジュアリーホテル業界などを題材に、実際にグループでデータを分析しレポートやプレゼンテーションを作成する必要があるため否が応でも最低限のマーケティングリサーチ手法を学ぶことになります。今までマーケティングに触れてこなかった人にもお薦めです!
Market Research
Customer Researchのアンケート設計(よくある間違い)から結果の分析手法について学ぶ授業です。分析に使用するStataという統計分析ツールは、RやPythonなどと比べて、感覚的に操作ができ、data analytics初心者にもやさしく、直感的に利用できます。また、講義資料が非常に充実しており、卒業後に実務で使う際も繰り返し見返すことができ、有益(と思われます)。
Prescriptive Models and Data Analytics (Computer Science)
Computer Science の Undergraduate upper division (学部向け3-4年)クラスです。機械学習全般の基礎的なモデルについて一通り学ぶことができます。講義は週に2コマ(1コマ2時間)あり、数式を用いた理論説明を受けます。また、週に1コマ(1.5時間)の演習では問題を解いたり、宿題でPythonのコーディングを行います。各モデルの数式だけでなく、図を用いたイメージの解説もあり、特に後者が他のモデル解説の本や講義と比較して抜群にわかりやすかったです。ただし、MBAのデータ分析のクラスと比較すると大幅に、私がいくつか受講したMSBAやMFEのクラスと比較しても一回り理論寄りですので、数学や統計のバックグラウンドが無いとかなりハードに感じるとは思います。
その他教授への相談が必要になる可能性もありますが、同じAnderson School内に存在するMaster of Business Analytics (MSBA) や Master of Financial Engineering (MFE)の講義を受講できれば、MBAから更に一歩進んだデータ分析スキルを身に着けることも可能だと思います(どちらも両分野ではトップスクールです)。特にMSBAとは学生間の交流や、MBA-MSBAの交流を促進するためのプログラムも活発です!